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月光と彼方 

BGM:雪月花—DOVA SYNDROME

文字:Limi

絵 :PAt

*専門翻訳者ではありません、何か間違いがありましたら、どうかご容赦ください。*​

 

 


  夏の夕風に吹かれて、浴衣に着替え、下駄を履いた歩行者が、時には露店の前に立ち、時には仲間と笑い合い、冗談を言い合う光景は、オレンジ色の提灯の光で、ひときわにぎやかな祭りとなりました。

​  こだわりの絵柄が並ぶ仮面屋さん、小さな川にかかる石橋、たくさんのお客さんが立ち並ぶ露店 ……お祭りのときにみえるだけの珍しい光景と、それに呼応するような活気ある雰囲気がすべての空間を満たしている。

​  よく見れば、屋台と木陰の間にぴったりと隠れるように小さな道を発見した。たまたまここに来た旅行者はもちろん、めったに気づかない住民でさえ、その存在に気づかないことがある。それが導く所は、まるで別世界のような——人の騒がしさとは対照的な静寂、街の灯りとは対照的なただの月光、人混みとは対極な、誰もいなくなったような世界。

  初めてこの地を訪れた彼は、すでにこの秘境を発見していたのだ。この天然テラスの縁に立ち、眼下の騒々しさを見渡した。

​  賑やかな気分になるには、その場所にいることだけではありません。時には「観察者」として傍観し、一緒にあの楽しむというのも貴重な体験かもしれません……お寺も、なぜかまだ咲いている桜も、ここはこのお祭りに全体を見渡せる絶好の立地だ。

​  屋台の騒音、子供たちの遊ぶ声、葉を吹き抜ける風の音、川の流れる音……様々な音色に目を閉じると、すべてが自分の手の届くところで起きているように思えてきて、昔に「お祭り」というの想像がこの一瞬にようやく具体的になってきたの。

​  長時間に渡って、紫髪の青年は横を向いて古木を見ていた。彼の背後では祭祀と月の光が独特の暖かい雰囲気の中で出会い、浴衣を着て光に背を向けて立つ姿は、名画のように魅惑的な存在。

  浮奇は、その笑顔で星の光を湛えたような瞳がもっと輝いてだ。急に風が吹いて、散った桜の花びらも、あの独特の紫も、いつの間にか止まっていたような時間も、全部吹き飛んでしまったのだ。

  吹き飛ばされた花びらは、わずかに開いた掌で留まっており、まるでこの大地が彼を歓迎してくれているかのようだった。

  その粉を手に持ち、もう一度景色を見渡して、最後に輝く月に眼差しを合わせた。

  「ご歓待ありがとうございます。俺も、このタイミングで皆様に出会えたことをとても嬉しく思っています。」

 

 

 

§——𝔗𝔥𝔦𝔰 𝔦𝔰 𝔱𝔥𝔢 𝔰𝔱𝔞𝔫𝔡𝔞𝔯𝔡 𝔰𝔱𝔞𝔯𝔱 𝔱𝔬 𝔩𝔬𝔯𝔢𝔪 𝔦𝔭𝔰𝔲𝔪——§

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